2025年9月11日(木) 第279回リレー講演会(繊維分野)【レポートあり】

■日時:2025年9月11日(木) 13:30~17:15
■会場:AREC4階&Zoomオンライン(ハイブリッド形式)
■参加費:無料

~ 内容 ~

■講演1  13:30~14:30
演題:繊維強化複合材料の研究開発動向
講師:信州大学繊維学部 先進繊維・感性工学科 准教授 奥村 航 氏
概要:繊維強化複合材料とは、繊維によって強化されたプラスチック材料であり、軽量かつ高強度という特性を有する。この特性を活かして、航空機や自動車などのモビリティ分野をはじめ、土木・建築やスポーツ用品など、幅広い分野で実用化が進められてきた。近年では、水素タンクやeVTOL(電動垂直離着陸機)、洋上風力発電設備など、新たな先端分野への応用も展開されている。
一方、環境への配慮から、植物由来の繊維を用いたグリーンコンポジットの開発も活発化している。本講演では、繊維強化複合材料の基礎的な概要と近年の研究開発動向について紹介する。

■講演2  14:30~15:30
演題:エプソンのドライファイバーテクノロジー
講師:セイコーエプソン株式会社 地球環境戦略推進室 環境技術開発推進部 部長 樋口 尚孝 氏
概要:当社はカーボンマイナス、地下資源消費ゼロを目指した環境ビジョン2050を掲げ、環境技術開発に取り組んでいます。「ドライファイバーテクノロジー」は、水を使わず繊維素材を価値あるカタチに変え、用途に合わせた繊維化や、結合、成形を行い素材の高機能化を実現するエプソン独自の技術です。本講演ではPaperLabや応用製品の開発ストーリーにも触れながら、技術の特徴と応用事例について紹介します。

<休憩10分>

■講演3  15:40~16:40
演題:思い出を未来へ:サステナブルな暮らしと心のケア
講師:フレックスジャパン株式会社 ひなた工房事業部 事業部長
              兼 コラボレーション事業課 責任者 唐木澤 修 氏
概要:フレックスジャパンの「ひなた工房」は、シャツ製造で培った技術を活かし、衣料品のリメイクを通じて新たな価値を創造しています。「サステナブルーふたばのかぜ」ではハギレを出さないで作る試みを。「ぬいふくーグリーフケア」では故人の服をぬいぐるみ等にする心温まるサービスを提供。福島・双葉町を拠点に、衣服の再生と心のケア、地域貢献を両立し、持続可能な未来への貢献を目指します。

■名刺交換・交流会 16:45~17:15 場所:AREC4階の交流スペース

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■お申込みはこちらの申込みフォームより、または、所属、氏名、メールアドレス、参加方法をARECまでご連絡ください。

■チラシはこちらよりダウンロードください。

当日の様子

本講演会は、繊維分野を環境・GXの観点から多面的に捉える内容となり、持続可能な社会における繊維産業の役割を考える機会となりました。奥村先生の講演では、繊維強化複合材料の研究動向を通じ、省資源化や省エネルギー化に資する技術的可能性が示されました。続く樋口氏からは、水を使わないドライファイバーテクノロジーを核とした資源循環型の技術と実装事例が紹介され、環境負荷低減と事業性の両立が具体的に示されました。唐木澤氏の講演では、衣類の再生を通じて廃棄物削減に加え、人や地域に寄り添う取組が語られ、GXが社会的価値とも結び付くことが示されました。本講演から繊維産業が環境・GXを切り口に新たな価値創出へつながる可能性がある事を強く感じました。(柳澤)

参加者46名