F第50話「終わりに際して」

Category: シュウカツ俯瞰
このコラムは、「地域中小企業の人材確保・定着支援事業」の一環としてお届けするものです。
この事業は、中小企業や小規模事業者が地域で学んだ大学生などを地域において円滑に採用でき、かつ定着させるための自立的な仕組みを整備することを目的としています。そして、そうした若手人材を継続的に確保し、中核人材として育成することで、中小企業や小規模事業者の経営力強化を進めようとしています。
このため、このコラムでは①これから社会に参加する若者の皆さんに「働く」、あるいは「ビジネス」ということがどういったものなのかを知っていただく、②中小企業や小規模事業者で働くために重要な知識やスキル、あるいは“社会人基礎力”や一般常識を身につけていただく、③中小企業や小規模事業者の海外進出や市場開拓において必要とされるさまざまな国や地域の情報や文化風土などの基盤的な知見を知っていただく、そうしたことを大きな狙いとしています。
時には幅広い知見をご紹介するために、少々間口を拡げることもあるでしょうが、それもこれからの日本を背負う皆さんに求められる一種のリベラル・アーツだとご理解をいただければ幸いです。また、このコラムを書くに際して、日本経済新聞とウィキペディア(Wikipedia、ウィキメディア財団が運営しているインターネット百科事典)から多くの情報を得ていることをあらかじめお伝えいたします。

こういった書き出しではじまったコラムも今回で最終となります。
昨年度259話、番外編45話、今年度50話、長らくのご愛読ありがとうございました。
最後に際し、いくつかのメッセージをお送りしましょう。

まず、自分の可能性を信じることです。
私たちは天才ではありません。いわゆる凡人です。
しかし、凡人には多くの伸び代(のびしろ、成長する余地があること)があるのです。
それを伸ばすも伸ばさないも自分自身です。

そのためには、挑戦する心を大切にすることです。
現状に満足しない、常に新しいことにチャレンジする、その気持ちが大切です。
コツは単純で、自分の背丈の5cm上に目標を設定することです。
高すぎる目標はついつい挫けるもの、低すぎる目標は意味がありません。
ですので、現状の少し上を狙いましょう。

挑戦を成功させるものは、一つ一つの努力の積み重ねです。
最初から大きな成果を狙っても空振りするだけ。
大切なことは、大きな成果ではなく素早い成果です。
故人曰く、ローマの道も一里から、です。

最後に、他人を受け入れましょう。
就職も結婚も、もちろん家庭も他人との出会いです。
他人の持っている過去、価値観、目標、そういったものを受け入れなければ、出会いは豊かな果実をもたらしません。
丸呑みにしろ、と言っているのではありません。
自分と異なる存在を認めることが自分を豊かにする、ということです。

皆さんが船出する21世紀初頭の日本は激動の渦にあります。
そこで浮かぶも沈むも自分次第、さあ頑張りましょう。