F第42話「ネットワークを拡げる」

Category: シュウカツ俯瞰
コミュニケーションが職場で取れるようになったら、少し目を外に向けてみましょう。
人間は組織に所属していると、どうしてもその組織の一員としてものを考え、ものを見るようになってしまいます。
それはそれで仕方のないことなのですが、そればかりに囚われていますと、タコツボ状態に陥ってしまいます。
そうなりますと、どうしても視野が狭くなり、価値観も偏ってしまいます。

この弊害を軽くするには、自分の目を外に向けることです。
内向きから外向きです。
人間はどうしても自分の所属している「内」を向く生き物ですので、「外」を意識することが必要です。

そのためにどうしたらよいのかですが、皆さんが会社に入ったとしても、会社以外のお付き合いは少なくないはずです。
同級生との呑み会もあるでしょうし、地域の付き合いもあるはずです。
そうした関わりを大切にしていただくのが一番です。
すぐに会社で役立つことはもちろん多くはありませんが、そうした「出会い」には多様性があります。
同級生を考えてみましょう。おそらく同じ会社に入った人はいないでしょう。少なくとも所属している会社は違うはず。
それだけではなく、大企業を選んだ人もいれば、中小企業を選んだ人もいる、故郷を出た人もいれば、故郷で生きている人もいる、親の仕事をついだ人もいるかもしれません。
そんな具合に、いわば日本という社会のさまざまな断面が見られるはずです。

このように、皆さんがここまで生きてきた経路の延長線でも「外」を見ることができます。
しかし、それだけではつまりません。
同級生は同世代ですし、地域は狭いもの。
より広い世界に目を向けることも忘れないでください。

そのためには、公私ともに訪れる「出会い」を大切にすることです。
仕事で出会う人もいれば、プライベートで出会う人もいます。
都会ではわざわざ出会いの場を作るために、イベント交流のサイトまでビジネスになっているほどです(参考までに三つほど上げておきます)。
http://koryupa.jp/、http://www.statusparty.jp/、http://www.reservestock.jp/

いずれにせよ、公私ともに訪れる「出会い」をどう活かすか、です。
その際、これはあまりよろしくないと思うのは、変わった格好をして目立とう、ということです。
気持ちはわからないではありません。
しかし、インパクトというものはプラスにもマイナスにも働くことを忘れないことです。
筆者が昔、公務員の方々を相手にビジネスをしていた頃、とにかく髪の毛を長くしている若者がいました。
確かに目立ちます。でも、どうなんでしょうか。
目立つことで得られる評価と、髪の毛が異常に長いということで失う評価をバランスにかけたら、ということです。
本質的にできる人は、普通の格好をしていても目立つのです。
人間の魅力は自ずと滲み出るものだ、と自信を持ってもよいのではないでしょうか。

もちろん、「出会い」で自分の存在を認めていただく、覚えていただくのに工夫は必要です。
例えば、名刺をいただいたらその日のうちにメールを差し上げ、出会った感謝をお伝えするのは、おそらくマイナスは少なく、プラスが大きいでしょう。
あるいは、名刺もお仕着せではなく、ちょっと自分の個性を加えたものにする、というのも会社が許すのであればよいかもしれません。
そんな控えめなアピールをする、その程度で十分ではないでしょうか。

こうしたちょっとした努力をすることで「出会い」がその後につながってゆく、それを繰り返すことで、皆さんのネットワークは一歩ずつ拡がってくるのではないでしょうか。
そうしたネットワークは、皆さんのタコツボ状態を解放してくれます。自分一人では見えない世界を見させてくれます。
この数字に現わしにくい価値を大切にしていただきたいと思うのです。