12月11日(木) 第282回リレー講演会(機械・加工・生産管理分野)【レポートあり】

■日時:2025年12月11日(木) 13:30~17:15
■会場:AREC4階会議室(上田市常田3-15-1信州大学繊維学部内)
■開催方法:会場とZoomオンライン
■参加費:無料

~ 内容 ~

■講演1  13:30~14:30
演題:NC工作機械の高精度・高能率化技術の紹介
講師:帝京大学 理工学部 総合理工学科 機械・航空宇宙コース 教授 西口 直浩 氏
概要:近年の好景気に伴い、製造業を取り巻く環境においても生産工数の増大や人手不足といった問題への対応や効率化が一段と求められています。このことは、数値制御工作機械(以後,NC工作機械)に対しても、さらなる柔軟性や高能率化、高速・高精度化が求められており、これらの要求に応えるため、これまで新しいNC工作機械や新機能の開発、様々な研究報告がされています。NC工作機械による生産活動の効率化に期待されるものとして、5軸制御工作機械が上げられます。今回は、発表者がこれまで関わってきた5軸制御工作機械をはじめとする高能率化に貢献することを期待されるNC工作機械の、高速・高能率化機能を紹介させていただきます。

■講演2  14:30~15:30
演題:板金加工の最前線
講師:株式会社アマダ ラボ加工技術部 課長 齊藤 諭 氏
概要:製造業における人手不足や技術継承、生産性向上は、経営に直結する大きな課題です。 本講演では、こうした課題を解決に導くアマダの最新の取り組みをご紹介します。 具体的には、製造現場の課題を解決する最新マシンとソフトウエア、工程を自動でつなぐ搬送システム、現場と事務所を結ぶデジタル技術などです。板金加工の現場で培った豊富な実績と総合力をもとに、業界の最新動向をわかりやすく解説し、これからのものづくりに役立つヒントをお伝えします。

<休憩10分>

■講演3  15:40~16:40
演題:工場の自働化挑戦!塗装ロボットと自働搬送
講師:株式会社竹内製作所 執行役員 生産技術部長 小山 徹 氏
概要:少子化が進む中、工場における人手不足は深刻な課題です。特に熟練を要する塗装作業は、厳しい職場環境により敬遠され技術の伝承が困難な状況にあります。そこで、塗装作業を塗装ロボットによって自働化し、再現性の高い安定した作業へと改善を図りました。工場内では自動搬送を活用し、運搬のムダを排除することで、作業者がより付加価値の高い業務にシフトできる体制を整えております。本講演では、2023年から稼働している青木工場の自働化改善事例等をご紹介いたします。

■名刺交換・交流会 16:45~17:15(会場のみ) 場所:AREC4階の交流スペース
 コーヒーを片手に、気軽な交歓をお楽しみください。自由解散です。

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■お申込みはこちらの申込みフォームより、または、所属、氏名、メールアドレス、参加方法をARECまでご連絡ください。
当日のご案内及びZoom招待URLは開催日1~2日前にご連絡いたします。

■チラシはこちらよりダウンロードください。

当日の様子

今回のリレー講演会は282回目になりますが、ARECの全ての講演会・セミナーを通算すると、1127回を数えるそうです。
製造業の会員企業が多いことから、このテーマはこれまでにも20回以上開催してきました。今後もこの分野については、時々は開催していけたらと思っています。
今回は、学術界から工作機械の研究者でいらっしゃいます西口先生、板金加工機のリーディングカンパニーである株式会社アマダ、海外市場の小型建機で圧倒的な評価を誇る株式会社竹内製作所に講演をお願いしました。
西口先生は、(株)牧野フライス製作所に在籍されていた時の開発事例を幾つかご紹介いただき、大学へ移られた後の研究についても幾つか解説されました。そして、五軸制御マシニングセンターの最新の展開をお話しされました。
(株)アマダの齊藤課長は、板金加工業界の課題への対応策として、アマダが取り組んでいる幾つかの先端的な技術について紹介されました。具体的には、板金加工に特化したCAD/CAMソフトウエア、最新のファイバーレーザ技術、AIを採用したファイバーレーザ溶接機、自律搬送ロボットを含めた製造DXソリューションなどの興味深いお話しでした。
(株)竹内製作所の小山執行役員生産技術部長は、一昨年稼働した新工場「青木工場」の立上げに関してのお話しでした。同社の小型建機の性能・信頼性についてはどの企業も既知のことなので、その詳しい解説は省かれ、工場のDX化に向けた取り組みを主に説明されました。具体的には、塗装工程の自働化と部品搬送の自働化について、先進的な取組みを紹介いただきました。さらに、青木二期工事に向けた新しい技術導入の目論見もお話しされました。
講演後、コーヒーを片手に交流会・名刺交換会を行いました。リレー講演会は交流会でのフランクな情報交換も魅力の一つです。オンライン聴講も非常に便利ですが、会場にもぜひとも足をお運びください。(三木)

参加者49名(会場26名、オンライン23名)