エコシンフォニー株式会社

Category: ARECTIMES


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厨房の油汚れを落とすクリーンシステムということですが、そもそも、このようなビジネスを始めたきっかけは?


僕の原体験には、大好きな祖父が認知症になり、その介護をした経験があります。そのとき感じたのが、病室の悪臭をどうすればいいんだろうとか、部屋環境や好きな食べ物の記録が残せないか、とか。福祉の現場で何かお役に立ちたいというのが僕の基本にはあって…ある日、福祉施設の方から相談を受けたんです。施設の厨房で下のほうに油が溜まってしまい、その匂いがキツイから何とかしたい、と。



バイオテクノロジーを利用したと聞いてますが…

そうなんです。当時テレビのニュースで、タンカーの重油事故を知ったんですが、それとともに油を食べる菌があることも知りました。その菌を開発したバイオ技術会社がニューヨークにあると知って、ストーカーみたいにEメールを20通位送ったら、今度は向こうからエアーメイルが来て、実は日本に総代理店がある、と。さっそく、その大阪本社に飛んでいったら、彼らはまさしくバイオ商社なんですね。何百ガロンという単位で、こっちが必要な数ガロンなんてお話しになりません。それでも、こちらから実験データーをず~と提出し続けたら、ようやく小さな単位でも売ってもらえるようになったんです。

すごい情熱と行動力ですね。

バイオテクノロジーによって、施設の厨房に溜まっている油やその匂いを中和させる。僕がやりたかったのは、それだけだったんですが、実際に、製品化して販売しようしたら、施設だけではなく、大手スーパーの会長さんが非常に気に入ってくれました。スーパーストアには、油の処理をする場所があって、その床がとっても綺麗になる、と。この辺の情報がクチコミなんかで、ホテルにも広がっていき、マーケットが広がりました。

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ARECに入居されて、メリットはありますか?

僕の感覚ですけど、一番のメリットは情報の多さなんです。たとえば、これまで僕なんか無縁の公的機関や経済産業省の方々とお会いできるようになり、そのルートで助成金への道筋がついたり、専門家や教授陣と知り合えたことも、ARECならではの大きなメリットです。異業種交流で飲み会までセッティングしてくれるんですからね。日本を代表する一流企業の方や世界的に有名な教授とまで名刺交換ができ、新しい交流が生まれました。 



最後に学生や若い方へのメッセージを

やっぱり、自立心のある人がいい。そして正しい倫理観を持っていることが重要だと思いますね。僕は、東京に本社を置く会社もやっていますが、人材的には長野と東京では違いがあります。長野には、おっとりしたタイプが多いかな。研究分野では、ひるまず、へこたれず、歯を食いしばって、やりますよね。だから、長野は、モノを作っていくという点で、そのマジメな姿勢で超人的な能力を発揮するんじゃないかと思います。若い子たちは、もっともっと自信を持っていいですよ。