㈱ナノ炭素研究所
Category: ARECTIMESそもそもナノダイヤモンドとは、どんなものですか?
私は、もともと大学の研究室では炭素の専門家だったんです。
65歳で定年になってから、今まで研究していたことを、世の中の役に
立つ形で出したい、と思って起業しました。
そのとき、炭素の中では、やっぱりダイヤモンドが面白い、と。
一般的には宝石のようなダイヤモンドをイメージするでしょうが、
工業用にはミクロの粉を使うんです。
ミクロの粉は1,000分の1ミリ。
そのさらに1,000分の1ミリがナノです。
ナノテクの材料にするためにダイヤモンドをナノにする方法を
7年間かけて開発して、ようやく米国の特許を取得したところです。
日本ではまだ公開特許の段階です。
それは、具体的に何に使うんですか?
ありとあらゆる物に使える基本的な素材です。
たとえば、ガラスに混ぜて使うことが考えられます。
ガラスは、硬度もあるし光もよく通す優秀な素材です。
ただ、何かに当たった場合割れてしまう。硬いものがぶつかると、
全体が壊れてしまう。
これが最大の欠点。
そのため、ガラスの主要な用途は、ガラス窓ぐらい。
地震があると、ビルの窓ガラスは全部一斉に割れて落下してしまいます。
しかし、これがダイヤモンドで出来ていたら、ほとんど壊れませんから。
ダイヤモンドガラスであれば、建物の重量そのものも支えられるんですよ。
その他にも、地球上で一番効率よく熱を通すとか、硬い、壊れない、変形しない、というダイヤモンドの特性を生かして、コンピュータや自動車の部品など、実にさまざまな分野での応用が考えられます。
そういう開発専門の企業というのは、日本では珍しいですね
開発専門ベンチャーというのは、高度な知的活動ですから、
まず人材面でなかなか難しい状況があります。
日本の場合、大学の工学部で優秀な人材は、ほとんどが大企業に就職しますからね。
若い人たちは、大企業に入ることが人生の目的になっていて、
その大きな傘の下で安定した生活をすることが成功者だと勘違いしているんです。
これはアメリカだとまったく違って、
「優秀な人材はみんな社長になりたい」
というベンチャー志向なんですね。
日本の将来を考えた場合、研究開発というのは、
ますます大事になってくると思いますが、我々のような中小企業にも、
優秀な人材が集まってくるような社会環境になってくれればいいですね。
最後に、このARECに入居された感想を
大学の研究室出身ですから、信州大学という環境は、仕事がしやすいですね。
それに長野県や特に上田地区は精密工業が盛んな土地柄ですし、
ナノテクノロジーに関しても非常に先進的で理解があり、
そういう意味では理解のある人がいっぱいいるんですよ。
いろいろなよその施設と比べてみても、ARECは非常に働きやすい。
ARECの管理も組織も非常に良く出来ていて、
スタッフの皆さんも、熱心にサポートして下さる。
あと、個人的な理由ですが、私はもともと信州が大好きです。
高速道路ができ新幹線が走り、昔に比べて長野県の立地条件が良くなりました。
何も無理して東京の住みにくい場所に居る必要がない。
特にインターネットが出来ましたから、
どこにいても世界中の研究者とコミュ二ケーションが常に出来ます。
いまはここから歩いていけるマンションを借りていて、
その部屋からも、山並みがすぐ近くに見えて、素晴らしい眺めですよ。
株式会社ナノ炭素研究所
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